4月の本(奇跡の脳)

・奇跡の脳  ジル・ボルト・テイラー 著  竹内薫訳(新潮社)

著者は著名な神経解剖学者。
37歳で、脳卒中のため、左脳の言語機能や、身体の境界、空間と時間を把握決定する機能を持つ方向領域連合野の機能を大幅に失う。

本書は著者が、そこから8年かけて回復(社会復帰)してきた過程と、
左脳の機能を大幅に失った状態で見た世界とはどんなものであったかを綴った物語。

機能喪失してからの世界の記述は、学術書ではなく、スピリチュアル関係の著書のようだ。

彼女はそこで、宇宙との無条件の一体感、エゴを超越した完全性、至福を体験する。
平和で安全で満ち足りていて、全てと一体であり、何一つかけたものがない状態。

存在をエネルギーとして感じたり、宇宙との一体感が無条件にあったり、
身体が流体に感じられたりするのは、
深いスピリチュアルな体験を除いては、通常はこんなふうに左脳に致命的な障害をおった場合に起こることらしい。

左脳が認知能力を取り戻した後は、その一体感は失われる。

わたしたちが体験する「現実」を創りあげる左脳の物語作家が、
物事に批判的な厳しい注釈をつけ始め、
自分がどんな思考を選び、どんな思考を望まないかを厳しく峻別する必要がでてきた。

と、彼女は書いている。

ネガティブな思考が自分にどんな感覚をもたらすか、について考え、それを選択しない自由を獲得した。

と。

たとえば危機的、あるいは極度に否定的な反応を引き起こすような事態に遭遇したとき、ほんとうに感情的な混乱がまき起こるのは、神経系が反応するわずか90秒の間だけなのだそうだ。

その90秒間さえやり過ごせば、それ以上その思考や、その「現実(というのは常にバーチャルなものだという前提をもって)」を、受け入れるのを拒否する自由を、わたしたちは持っている。
(これはやったことがある。怖いという思いをじっと耐え、90秒が過ぎると、情況は何一つ変わらないままで、恐怖は消滅する。一度ちゃんとやり過ごすと、同じことでは反応しなくなる。すっごく不思議)

左脳の代替能力が目覚め、日常生活が可能になり、身体の感覚がもどって世界が再びくっきりとした輪郭に包まれても、右脳がもたらす至福を、思い出すことはできる。らしい。

外界の知覚と外界との関係が、神経回路の産物。というのはとてもよくわかる。
(これは右脳マインドの感覚らしいが)

逆に言うと、左脳が優先される世界では、その神経回路の産物が、常に当事者によって、
存在を確認され続けている、ということがいえるだろう。

ものごとはそれがある、と思うことによってのみ、存在が可能になる。
ある。と思うことによって、その瞬間だけその状態が実現される。

わたしにとって、わたしの身体や名前や性別や、経歴なんかは、エネルギー的には存在しないもの。

という感覚で生きていると、ものごとを形にすることはすごく大変だ。
そもそも最初から完全に一つという感覚が強すぎたら、
別に自分がががんばって何かする必要は、なくなってしまう。

わたしにも、リハビリが必要かも。と読んでいて反省した。

(しかし何度か見直したが、三次元に復帰するための手順自体は、そう詳しく書いていない。歩くことによって身体を極限まで使う。というのと、勉強によって頭を極限まで使う。のがよかったらしい。というくらいだ。後、小さな成果を重ね、手順を踏むということ。考えたら、彼女は個体として三次元の世界を生きるためのビジョンをすでに持っていたのだから、ビジョンがないひとがやるのとは違うかもしれない。)

最近激しい運動は始めたので、今度は段階を追って、形にこだわるということに挑んでみよう。

好きな思考を選び、全体性の充実に思いをはせながら、左脳を立派に使いこなせるように。
そして好きな形をこしらえることができるように。

まず、スタートは、身体がここにあるとおもうことからだな。

とほほ。
by terasumonnmoku | 2009-04-10 16:03 | 読書 | Comments(0)

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