無冥さんのこと。

無冥(むみょう)さんのお話会に行った。
無冥さんはお坊さんである。
お坊さんであるが、受けたのは得度まででお葬式をする資格は持っていないそうなので
お坊さんとしては、半人前なのかもしれない。

なぜ資格を持っていないかというと、背中に刺青があるせい。

無冥さんは生まれて間もない娘さんを病気で亡くし
そのことで家族と争いになり、人生を誤ってしまった。

それでやけっぱちになって
デリヘルの運転手の仕事をしていたとき、
障害のある娘さんが、実母の借金のカタにデリヘル嬢になり
(何人お客さんをとっても一日2000円しか彼女には入らない。)
それなのに嬉しそうに
「今日はお母さんに会いにいくの」と出かける彼女を駅に送り届けたとき
突然猛烈に泣けてきて、「こんなことはもうできない。」と
お坊さんの修行を始めたのだそうだ。

ケチで有名だったデリヘル会社の社長は
お坊さんになるという無冥さんの決意を聞いて
一万円の餞別をくれたのだそうだ。

鬼畜のような社長でも、そういう信仰心みたいなのはあるんだね。
と、びっくりしたような、でもとても温かい笑顔で、無冥さんは教えてくれた。

それから紆余曲折があって、いま、無冥さんは田舎の方に地蔵庵という庵を開き
娘さんを供養し、畑を耕し、小屋を作り、お地蔵さんを彫って
訪れる人が元気になるような場所を作ろうとしている。

決して褒められた生き方ではないとは思うけど
わたしはとても無冥さんが好きだ。

そして、出家を決意するに至った話がものすごく好き。
見方によっては残酷でしかないんだけど
でも、それぞれのどうしようもなさの中でもがく人間の
美しさが垣間見えるような気がする。

どうしてこんなにすてきなひとが、
ちゃんとお坊さんの資格を取れないんだろう。とか、
そのデリヘル嬢は、いったいどうなってしまったのだろう。とか
考えたら本当にキリがない。
無冥さんはその彼女に直接なにかすることはできなかったけど
べつの風俗の子達の悩みを、托鉢姿で街に立っては聴き続けた。
話した子は、すこしあったかくなって帰ったんだろうな。

いま、希望の会で子供たちとのイベントをいろいろやっているんだけど
将来的には、無冥さんの畑に子供を連れて行って
一緒に土にまみれたり、何か食べたり、くだらないことで笑ったり
そんなことができたらいいなあ!と思っている。
どんなに傷ついた子でも、無冥さんなら会える。
またひとつ、やりたいことができた( ^ω^ )


by terasumonnmoku | 2015-01-19 22:34 | あぐり寺地蔵庵 | Comments(0)

宇宙真理哲学講師、らくがきすと、即興ピアニストぷらす社会活動家(過労自死遺族当事者)働くことから世界を変えるをモットーに、さまざまな活動をしています。合言葉はREBORN.大事なのは、生きることだ!


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