12.チョコレートドーナツ

チョコレート・ドーナツ  トラビス・ファイン監督 2012年米 97min

ゲイのカップルが、育児放棄されたダウン症の子供を引き取り
家族として育てる話。
ルディ役のアラン・カミングが滅茶苦茶いい。
プライドが高く、愛情豊かで、ゲイに対する差別にもひるまず
何もできない自分を不当に貶めることなく、
麻薬中毒の母親に疎んじられ、
誰にも望まれないマルコを力いっぱい愛し守ろうとする。
(アランさんは実生活でもゲイの権利の向上のために活動している人らしい)

息子役のマルコもたまらない。
どれだけ自分の部屋が嬉しかったんだろう。
どれだけ、温かい家庭を喜んでいたんだろうと
見ているだけで思いが伝わって来る。

家族って、愛ってなんだろう?としみじみ考えてしまうような話。

これは1979年に実際にカルフォルニアで起きた実話だそうだが
その前年には、ゲイであることを公言して公職
にはじめてついたハーヴェイ・ミルク市議が、
暗殺されるという事件が起こっている。

わたしがカルフォルニアに住んでいた2000年には、まだ同性婚は合法化されておらず
市民向けに、20項目はくだらない事細かな住民アンケートが配られていた。
ゲイの結婚についてどう思いますか?
同性婚でどちらかが亡くなった場合の遺産は、どのように相続されるべきだと思いますか?
などなど。かなり突っ込んだ内容だった。

2000年当時さえゲイのカップルはそこいら中にいたのに、
合法化されるまで、そこから8年。
この映画の実話が書かれた当時は、厳しい時代だったのだろう。

すごく皮肉なのは
ゲイのカップルとマルコの親子は、
この映画に出てくる、ほかのどの家族より幸せそうだったということだ。
愛があれば性別なんて、そんなに大きな問題じゃないと
同じ問題を持っていなければ思えるけど
当事者はそうじゃない。

だからこそ、ルディとポールの毅然とした姿と真の愛情が
まぶしい。

こんなふうに泣きながら生きてきた人がたくさんいて
いま、アメリカでは続々と同性婚が認められている。
もう35州まで拡大しているそうだ(2014年現在)

こういう流れを見ていると、人権って当然のように与えられるものではなく
自ら認め、要求することで、社会に確立してゆくものなんだ。
ということを強く感じる。
その過程で、たくさんのルディやポールたちが、
社会によって否定された自らの尊厳をとりかえしていく。
わたしたちみんながもとからそうであるように、
誇り高い、人としての喜びと幸せを、堂々と表していく。

感動します。音楽も良くて、超おすすめ。見てね~。

by terasumonnmoku | 2015-02-10 21:00 | 映画 | Comments(0)