過労死防止学会

5月21日関西大学千里山キャンパスで行われた、過労死防止学会 第二回大会に、参加しました。

過労死防止学会は、2014年に成立した過労死防止法によって、
国の責任で過労死の総合的な調査研究が行われることになったのを受けて、
民間でも過労死(過労自殺および過労疾病を含む)に関する調査研究を行い、
その成果を過労死の効果的な防止のための対策と取り組みに生かすことを目的に設立。

労働法や経済学の研究者、医師、弁護士、報道関係者、遺族、この問題に関心を持つ個人
などによって構成されています。

今回は初の国際シンポジウム。ということで
日中韓の過重労働の専門家が
それぞれの国の労働問題の問題点などについて報告。

韓国がひどいのは想像できましたが、
サービス残業の概念がなく、
週35時間の労働時間規制が、
法律できっちり守られているフランスでも
労働密度の高まりとともに働く人のストレスが高まっている。
などの報告に目を丸くして聞き入りまいた。

時間が短ければよい
というわけではないらしい。

ちょうど今日、フランスで解雇規制を緩める法律に反対する
大規模ストライキのニュースが流れていました。
フランスは、職域で連携した組合があって、ストがうまいらしい。
過労死もたぶんないのでしょうが、
それでも自死率は高く、世界第5位なのだそうです。

c0195362_18551577.jpg
(国際シンポジウムの模様↑)



わたしは翌日の4つの分科会の一つ
「教員の過重労働と公務災害」というテーマの会に参加。

・前川事件とその背景、
・東北大学および宮城における教員の過重労働の実態。
・支援学校の問題について

今回は特に熊本地震を受けて、震災と、復興予算の流入がもたらす仕事量の増大が
どのように職場に深刻な負荷をかけていくかについての、
報告をさせていただきました。

同じ分科会では、支援学級の養護教諭の過労自死事件、国の過労死等防止対策推進協議会委員である中野さんから
過労死等防止推進法にどのように中身を詰めていくか。
そして公務災害認定に係る問題点についてのお話があり、大変聞きごたえのある内容でした。

小中高校教師の過労死過労自死の公務災害認定数は年10件程度なのに
在職中の死亡は毎年150人から200人に上るそうです。
ぜんぶではないにせよ、その中の相当数が過労死なのではないかと想像され
せめて残された遺族のために、普通の労災以上に込み入った手続きが簡略化され、
公務災害として認定される件数が増えていくことを願いました。

ほかの分科会では、「軽井沢スキーバスツアーバス転落事故について」の、自交総連大阪地連の方の発表や、
東京新聞記者の方による「ワタミ過労死事件と和解の社会的意義」についての報告などがあり、
自分の報告との兼ね合いで、聞きに行けなかったのが残念でした。

過労死防止学会としては、今後厚労省から予算をとり、
大学で過労死や労働法についての講義をする計画があるそうです。
若い世代の過労死を防ぐための教育の必要性を
労働問題当事者の方からも訴えられ、自分も感じていたので
とてもうれしかった。今度そのように説明しよう。

2日目の終わりには、厚労省の労働組合の方の発表があり
労基署の相談員がほとんど非正規雇用であること。
毎年島根県一つ分くらいの公務員が減らされていること。
給料もどんどん下がっていること。

過労死を防ぐ立場の厚労省が、特に国会期間中は不夜城となり、
それは、国会で何を答弁するかについて決まるタイミングが、
前日ギリギリであり、それから国会議員が質問を考え
その後職員が大臣の回答に必要な資料をそろえるなど
仕組み自体が過重労働を強いる体制になっている。
一部分だけでなく、全部を見直す必要がある。

などのお話を聞いて、いろいろな立場の方からの意見を伺うことが
大切なことと改めて感じました。

遺族はとかく視野が狭くなりがちで、そうすると誰より自分が苦しい。
それで悲しみが減るわけではありませんが
こういう大きな背景を知っていくことが、力になります。

問題を感情的にとらえるのではなく
機能不全に陥っているシステムをどう再構築していくか。ということについて
様々な視点から冷静に検討を行い、関係各所に向けて提言していくこと。

それが過労死の防止と、その先にある
健全で生産性の高い職場環境を作ることにつながっていく。
そのようにして亡くなっていった大切な家族とともに
日本の未来を新しく創っていくようなことができたら、これに勝る喜びはありません。


森岡先生、
参加されたみなさま、ほんとうにありがとうございました。


過労死防止学会についてはこちら

代表幹事・森岡先生の最近のベストセラー

c0195362_19391885.jpg
こちらには夫のことも、取り上げていただいています。



c0195362_19394926.jpg



by terasumonnmoku | 2016-05-27 21:39 | 労働問題 | Comments(0)

宇宙真理哲学講師、らくがきすと、即興ピアニストぷらす社会活動家(過労自死遺族当事者)働くことから世界を変えるをモットーに、さまざまな活動をしています。合言葉はREBORN.大事なのは、生きることだ!


by terasumonnmoku