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小説感想 29.君の名は

29.君の名は      新海誠(角川文庫)

先日見た、新海誠監督の同名の映画の小説版。
映画のノベライズって、通常はオリジナル映画とは関係のない人によって書かれる。
原作の世界観とかけはなれていることが多く、だからあんまり好きではない。
でも、これは著者が監督自身。
世界観が原作と同じことに感動しつつ読む。

総合芸術である映画と、個人的な小説というメディアの違いが楽しめて
ほんとうにおもしろい。
(本の売れ行きも、きっと爆発的に違いない)
映画を見ると小説が読みたくなり
小説を読むとまた映画が見たくなるという
エンドレス循環。

RADWIMPSの音楽を掛けながら読みと
さらにひたれます・笑。

なにがそんなにいいのか。
やっぱりそれは、世界観の美しさ。
につきるのじゃないのかな。

ジブリ映画とかの土台に常に影を落としていたような、
重い絶望~的な気配がない。
主人公たちは平凡と言えば平凡。
それぞれが超絶すごい才能を持つわけでもない。
その中で壮大なドラマが起るわけだから
当然葛藤が起り、主人公はもがく。

そのもがきかたが、美しい。
矛盾を内包したうつくしい世界の中で、平凡な人たちが、美しくもがく。
一番大切な記憶が失われていくことを
留めることもできず、
ただ、「大事だった」という事実だけが
人生を支えている。

これって、ほんとうの自分を忘れた
わたしたち自身の物語だ。

名前を失い、目的地も失い、記憶を亡くしても感情だけが残っていて
いつか、確かに存在したはずの、自分の望んでいた場所に
必死で近づこうとしている。
うつくしい風景の中のうつくしいひとたち。
生き生きした喜びの感覚。
それとはかけ離れたぼんやりした日常を
記憶のかけらがよぎる。

<かけら>を起点にして、わたしたちは還っていく。
きみのいた世界に。
その瞬間、世界は色彩をとりもどし
再び世界は輝き始める。

「君の名は」という小説は
そういう物語でした(๑'ᴗ'๑)

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by terasumonnmoku | 2016-09-05 21:20 | 読書 | Comments(0)
24.ぼくは明日、昨日のきみとデートする  七月隆文(宝島社文庫)

2015年の10代~20代女性が読んだ文庫本一位。100万部突破。映画化作品。
はやりものに弱い・笑。
違う時間を生きる二人がたまたま出会うという設定が斬新で、一度読んで今度は最後からもう一度読み始めた。
作中の空気に透明感があって
居心地がいい。先日「4月は君の嘘」という漫画を読んだけど
印象がそれにとてもよく似ている。


25.指名される技術 堀江貴文 齋藤由多加(ゴマブックス)

ホリエモンと、ゲームクリエーターの対談にひかれて読んだけど
これは失敗だった。立ち読みで十分。普通のことしか書いてない~

26.「資本論」を読む   伊藤誠  (講談社学術文庫)

わかり方が中途半端な分、読むのに異常に時間がかかった(二か月)

わからない文章をわからないままに読める。というのは一種の才能だけど、
せめてこれを読んだことで、貨幣論とかが読めるようになっていたらうれしい(´;ω;`)


27.ソウル・オブ・マネー   リン・ツイスト(ヒカルランド)

著者は、ハンガープロジェクト協会(世界の飢餓の撲滅を目的とした組織)設立当初のメンバーであり、
現在でも熱帯多雨林の保護活動などに携わる資金調達のプロ。

この本で衝撃的だったのは、飢餓が、分配がうまくいっていないことによっておこるのではなく
「欠乏」という意識の問題だと、書かれていたことだった。

この世界には、不平等や不公平がたくさんある。
一言で豊かさと言っても
何が本当に豊かなのか、突き詰めてみるとよくわからない。

食べ物があること。安全であること。夜露をしのぐ場所とプライバシーがあり
寒さをしのぐ服があること。最低限の医療が受けられること。

豊かさの定義って、そのくらいだと思うのだが
それを全部持っていても不幸にはなれる。

わたしたちの意識の中にある「ない」「もっと」という感覚を手放すと
豊かさが人生の中になだれ込む。
それはわたしも体験した事実で、個人レベルではそう思っていたけど、
国のレベルでもそうなのかということが、衝撃的だった。

「長年にわたる飢餓の原因は
単なる食糧不足にはない」
と、リン・ツイストは言う。

ビアフラでも、エチオピアでもソマリアでも
食糧援助がほとんど機能しないということがおこった。
食糧は戦争と腐敗を進行させ、ブローカーによって蓄積され、消費され。効果的に分配されない。

飢餓の原因はもっと根本的に原因がある。

セルフイメージが弱者を創るのだ。

と。

<地球の飢餓は、なくすことができる。>

>すべての仕事は。それが完全に解決できる。と確信した時
あなたのより深い部分から行動できるようになる。

未来を先取りして生きる。
未来の自分で生きていく。

それは、飢餓のような社会問題においても
たぶん過労死にも共通したことで

過労死は、労働環境が引き起こす問題だけれど
そこまでやらなければ、まわらない、
生きていけないとみんなが思い込んでいるところ
(特に経営側だが、働く側も。ほぼ洗脳に近い)に根本的な原因があるように思う。

地球上には、わたしたちが生きていけるだけの十分な資産がある。

>持続性の追求の本質とは、「自分の必要とするものをすでに持っている」と認識するところにある。

基本はみんな「真理」なんだなあ。
地球上の飢餓の問題まで真理を広げて考えたことがなかったので
これは衝撃的でした(๑'ᴗ'๑)


そしてこの本を読んで、お金の使い方を意識するようになりました。
コミットメントしたいところにお金を使う。
まだ始めたばかりだけど、自分の中で豊かさがより増している気がします٩(ˊᗜˋ*)و✧*。

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by terasumonnmoku | 2016-09-02 22:23 | 読書 | Comments(0)
28.ガイヤの法則 千賀一生

先日大盛況のうちに終わった「あぐり寺夏の収穫祭&カレーパティ」

ひとしきり催し物が終わった後で
徳ちゃんに読みかけの本を回そうと
ソファーでラスト数枚を読み進めていたら、

参加者のひとり、ガンジーさん(日本人)に話しかけられました(๑'ᴗ'๑)

「おもしろそうな本を読んでますね」

静かなたたずまいの似顔絵画家のガンジーさん。
実は初対面・笑。

集団からすこし離れてにこにこしている方だったので
畑でも無理やり話しかけて
草むしりに巻き込む(๑'ᴗ'๑)

「どんなことが書いてあるんですか?」
と重ねて聞かれたので、持っていた「ガイアの法則」という本を見せ、

スピンが空間から物質を創り、
地球上の文明が栄える場所もスピンによって規定され
いろいろ計算すると、今度は日本が栄える番だ!

という、トンデモ本。
でも次は日本の時代だということは
スピ系の世界ではよく言われている( ̄ー ̄)


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スピンによって空間が物質を創る。

その空間は意識でできている。

すべては一つに切れ目なくつながっていて
その一部分がたまたま、わたしであり、あなたであるだけ。
わたしたちは肉体という形をとった、宇宙の意識なんだ。

という、本に書いてあることの説明をひとしきりして

(ただ、個人的には今回の変化は地球だけに限定したことではなく、
太陽系、銀河系、さらに大きな宇宙を巻き込んで起っている
壮大なドラマの一部分なんじゃないかと、わたしは勝手に考えている)



「ものが<ある>って、ほんとに不思議なことですよねえ。」

というと、

「ほんとにそうですねえ」

とガンジーさんはいい、
二人(たぶん)で大変、いい気分になってしまった・笑。

あぐり寺の賑わいの中、別の時間がそこに流れていた。



ものが<ある>こと。

わたしたちが<存在>するということが

どうにも不思議でならない。

と、わたしは常日頃思っているのですが、あまり共感を得られたことがない。

みんな当然だと思っているみたい。
目を閉じたら、もしかしたら次の瞬間世界か自分はないかもしれないのに、
そういうふうには思わないみたい。

だからこの不思議感が通じたことが、とっても新鮮だったのです。

なんともいえない佇まいのガンジーさん。
今度いつどこで会うだろう。
もしかしたら二度と会わないかもしれない。
それはそれで、かなりすてきかもしれない~ଘ(੭´ ꒫`)੭
(一期一会好きなので)


もしかしたら
人は宇宙の見ている、夢のかけらなのかもしれないね。
蝶どころではなく。



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by terasumonnmoku | 2016-08-23 20:17 | 読書 | Comments(0)
23.君はどこにでも行ける    堀江貴文

「2015年の日本の経済成長率アジア24か国中23位。
一人当たりGDP
世界27位。アメリカの四分の一。中国の半分。

日本は安くなった。」

というショッキングな出だしで始まるこの本。
それは歴然とした事実だけど、
必ずしも悪いことではない。


斜陽の国には斜陽なりの発展の仕方がある。

いまはまだ、はるかな昔に終わったバブリーな時代の名残の
便利な社会をブラックな働き方で無理やり支えているけど、
それもそれほど長い時間は持たないだろう。

現実に運輸、教育、医療ではすでに崩壊が始まっていて
社会の在り方が目に見えて変わっていくのも時間の問題に思う。

格差は日本に限らず、世界中どこでもひろがっている。
ストレスのはけ口を求めてナショナリズムに傾いていく人が増えるのも、
どこにでも見られる現象だ。

一番読んでいて気持ちがよかったのは、
「国境というバーチャルなものは、情報によって駆逐される」
「グローバリズムの到来は、国ごとの不安や、民族の情緒的問題を解消していく」
という部分。
例としてタイのタクシン派と反タクシン派の対立の激化の例が挙げられていた。
(これも、格差の広がりに対する反発が原因)

確かに、2014年バンコクで戒厳令が敷かれていた時
かの地に滞在していた友人を心配してSNSをチェックしていたら、
混乱の真っただ中にいるはずなのに、
彼はいつも通りのんきに酒浸りの生活を続けていて、
全く影響がなさそうなようすに拍子抜けした。
街中の一部しか騒ぎになっておらず
ほとんどいつも通りの日常だったらしい。

混乱が激しくなると
経済に大きな影響が出る。
だからどうしても適度なところにとどめようとする力が働くのかも。

この時代にどう生きたらいいかということについて
堀江さんは「好きなことを好きなだけやる」ことで
突き抜けたところに仕事を創りだしていくこと。
自分だけの価値を自分に着けていくことが大事と語っていて
まさに時代は変わったなあ。と思う。

それにしても世界は広い。
日頃考えていることがだんだん、
<ちっちゃ~>という気がしてきた・笑。
もっともっと、自分の好きなことに傾注する時間を増やしていこう。


わくわくのあまり、あっという間に読了。

別に行こうと思えば、わたしたちはどこにでも行けるし
やろうと思いさえすれば、何でもできる。
それを押し留める障害なんて、
自分の、頭の中にしかないのだから。

ポケットに財布とパスポートだけ突っ込んで
すぐにでもどこかに飛んでいきたくなる本でした٩(ˊᗜˋ*)و✧*。


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by terasumonnmoku | 2016-05-29 21:43 | 読書 | Comments(0)
22.幸せになる勇気 ー自己啓発の源流アドラーの教えⅡ 岸見一夫 古賀史健

大ベストセラー「嫌われる勇気」の続編。
個人的には「嫌われる勇気」より好き。

自身が病気で死にかけたこと、弟さんの死をきっかけに医師を志したアドラーは
精神科の医師として第一次世界大戦に従軍。
人を救うために志した医師の仕事を、
傷ついた兵士を戦地に送り返すために治療するという矛盾の中で
フロイトは「タナトス」「死への欲求」を考え、
アドラーは「共同体感覚」を提唱し、人生を前進させ未来を変えることを目標にした
アドラー心理学を開いた。

「個性は相対的なものではなく、絶対的なもの」
「尊敬=信頼であり、尊敬とはその人そのものであることに価値を置くこと」

世界を平和にしたければ、まず自分、そして目の前の人を信頼すること。
という数々の名言に、深く頷く。

「人を救うことで、自分が救われようとするメサイヤコンプレックス」に陥っている人を
ほんとうによく見る。
実際は自分を救えない限り、人の役に立つことはできないのであって、
この辺をアドラーは「自立の問題」といっている。

身体的に未成熟な状態で生まれた赤ちゃんは
自分の弱さを武器に、生き残りを図らなければならない、
自己中心的な存在である。

単に成長するだけでなく
他者を愛することによってのみ
われわれは自己中心性から解放され、
自立をなしえ、共同体感覚にたどり着く。

共同体感覚とは、精神世界的に言えば「すべてはひとつ」という感覚であり
アドラーによると、人間集団のみならず、宇宙をも含む広大な概念だったらしい。

この本の結論は、人間として生きている以上別れは不可避であり
わたしたちは人と最良の別れをするために生きる。
そうで、そういえば自分もそうかもしれないと思う。

人を愛するといっても
それは愛されることを望むのではなく
もっと深く本質的な
その人の存在そのものを喜ぶ的なニュアンスがあり
それはなかなか言葉では伝えにくいけど
そういう愛が、すべてに波及していくということは
理解できる。

この本は、教員になった「嫌われる勇気」の若者が
教育論を哲人に問う。
という形式をとっているが
教員であるということは、あんまり関係ないかもしれない。
それはアドラーの職業観にも直結した考え方で
その辺に興味のあるかたは是非この本を読んでください(๑'ᴗ'๑)






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by terasumonnmoku | 2016-05-19 22:24 | 読書 | Comments(0)
最近、BOOKCAFEで新刊本を読むのがブーム。
軽い本ならコーヒー二杯分くらいで読めるし、
CAFEにいくのがうれしくなります(๑'ᴗ'๑)

そういえばどっかのアメリカの街の本屋さんで、
そこはBOOKCAFEでもなんでもなかったのですが、
床に座ってマクドナルドを食べながら本を読んでいる青年を見かけて
驚いたことがあります。
日本人は本も汚さないように気を付けていて、偉いと思います。

堀江さんの本、「君はどこへでも行ける」を読みたかったのに
まだ入っておらず、残念でしたー。

4月は、また、資本論に引っかかっていて
読了したのはこの一冊だけです(๑'ᴗ'๑)


21.本音で生きる      堀江貴文

最近読んだ本。

やりたいことをやるために、
自分を最適化する。
プライドはなくなった方がみんなに愛される。



言葉の一つ一つがもっともで、

ぐいぐい読む(^_^)


個人的には、いくら時間が貴重だからといって、

ここまで忙しいのはかなわないけど、

知的生命体のいる他の恒星に行きたいから、

もっとも効率のよい手段を考え、

実現に向けて努力している。っていうなはかっこいい♪


満足な生き方は、人によって全然違うということを知る意味でも、

おもしろい本でした。


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by terasumonnmoku | 2016-05-02 21:18 | 読書 | Comments(0)
16.マルクス 資本論・1   エンゲルス編 向坂逸郎訳(岩波文庫)

「お金の謎」に興味をもって読み始めたこの本。たぶん今まで読んだ本の中で、一番手こずりました。
使われている語彙とその概念が、今までの自分の世界にない。というのが大きい。
「ある科学の新たなる見解は、すべて、この科学の専門用語における革命を内包している」
とエンゲルスも書いていました。

ものすごくざっくりいうと
資本主義経済における問題は、労働者が、同時に消費者でもあるということ。
剰余価値は労働者の労働によってしか生まれないので、
企業が生産の効率化や資本の集中など、経営努力を行えば行うほど、
商品の価値と、働く人の賃金は下がり、市場もやせ細る。
いずれ恐慌か、戦争か、いつかの時点では必ず限界が来る。

ここを逃れるためにグローバル経済の発達、ということが起ったのですが
これは単に規模を大きくしただけで、抜本的な解決ではありません。

わたしは別に社会主義が良いと思っているわけではなく(すでに破たんしてるし)、
経済原理が知りたいから、資本論を読んでみる。と詳しい人に話してみると、
「資本論を読む必要はない。マルクスは自然環境のことを頭に入れていなかったんだよね」
と言われ、別の本を進められました。

読んでみると、確かにそうです。
企業経営においては、経営する側が「市場を育成する」ことを怠り
目先の利益のみを追うことで、様々な矛盾が起きている。
(この辺を調整するのが国家の役割だと思うのですが
それはそれでなかなか難しいようです)

同様に商品を作るにあたっては、化石燃料の使用が
将来的にどういう影響をもたらすかなどなど、地球環境の負荷のことも当然考慮に入れなければならないのに
そこがごっそり抜けている。

そのあたりは、森の木を切ったら、その分を次の世代のために植樹する。
ようなことをしていた、日本の古い伝統や
ネイティブアメリカンのひとたちのプリミティブな感覚のほうが
より全体性を意識していた気がします。

3ページごとに気絶しながら読んだこの本。全9巻中マルクスの書いた三巻目まで読むつもりなのですが、
かなり不安です~

17.マルクスる?世界一簡単なマルクス経済学の本        木暮太一(マトマ出版)


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18.大変化 経済学が教える2020年の日本と世界           竹中平蔵(PHP新書)

著者は、過労死遺族やその関係の専門家の間では悪名高い、産業協力会議・国家戦略特別区域諮問会議メンバー。
残業代ゼロ法案や、解雇の自由化などに取り組んでいる方です。
きちんと、マルクス経済学を研究された方で、
グローバル社会がこの先どのように展開していくか。
日本が今後どのように変化していくかについて、大変爽やかに書かれています。

個人的に特に反応するのは、大学教育についての部分で、
教員の流動性を高め、変化に対応できる組織作りをしよう。という記述があります。
そこで働く教員全員が、任期5年の契約の大学もアメリカにはあるそうで
研究を何だと思っているのだ。と読んでいてむかむかするのですが
ただ、個々の現実的な問題を見るのではなく
社会全体の問題として高所からざっくり切り分けてしまうと
(ものすごく残念ですが)それもありなのかもしれない。

書かれていることに腹は立つけど
わたしの知識では歯が立たない。
経済原則にしたがった、ちゃんとした意見です。


よく、本社から地方の現場に管理職が派遣され、
事情を知らず、勝手な裁量で次々にものごとを判断するために
現場に大変な負荷がかかる。
ような話を過労死の世界でも聞きますが
日本全体においても、それと同じことが起きているのかもしれません。

ただ、過労死や、ブラック企業問題の専門家の方の反論を読んでいると
例えば残業代ゼロ法案や、解雇規制の撤廃など、個々の問題についての批判には
ほんとうに頷けるのですが、
それではどう考えれば、国、企業、働く人全体がこの経済環境の変化の中で
なりたっていけるのかについての考察はなく、
竹中氏のような、日本の今後のありようから発せられる提言に比べると、弱い。

変な法案も、ちゃんと理由と背景があって出てきているので
その背景と議論できないと、解決には向かいにくい。

いずれにせよ、日本も企業も大学も個人も、変わらざるを得ない時代が来ています。
変えられるのは自分だけ。
ひとりひとりが、どう生きるか、何によって生きていくかを
改めて決めていくときなのでしょう。

19.呼び覚まされる霊性の震災学 311生と死のはざまで    東北学院震災の記録プロジェクト 金菱清(ゼミナール編)

本書のテーマは「震災における死」。
災害社会学の分野で、フィールドワークを足掛かりに学生たちが記述した論考をまとめたものです。

「震災における死」(とその受容)を取り扱うにあたって、
「霊性」ー英語のスピリチュアリティを翻訳したものですが、ここでは生者と死者が呼び合い、
現世と他界が共存する両義性の世界を指すー
という概念を打ち出したところがあたらしく、
そこがまた、わたしの知る震災遺族の、猛烈なバッシングを受ける由縁でもあります。

生と死のはざまの世界を扱うことで
人々が震災の痛みにどう向き合ってきたかを考察する。というのは
社会学というより、どちらかというと民俗学的なアプローチで
手法としてはありだと思うのですが、

愛する人が幽霊になってさ迷い歩いている。
という記述が、それがいかに慎重な配慮のもとになされようと
遺族にとって、耐えがたいことには変わりない。

問題は、東日本大震災という出来事が、
遺族にとっては極めて個人的で、なまなましい、深刻な痛みであると同時に
社会全体から見ると「歴史」でもあるということ。

「歴史」であるからには、学問的な考察は必要です。
しかし、被災から5年という歳月は、
それをするのに、十分な時間とは言えない。
だからといって、忘れることもしてはいけないわけで
そこにジレンマを感じます。

遺族にとっては、自身の当事者性をいかに超えてゆくか、
が重要になってくるだろうし、
一般社会にとっては、「他人事」を超えて
一人一人の被災者の、個別の痛みにいかに寄り添っていくか
を考えることが、カギになるでしょう。

そのように、ひたすら対話を続けていくということしか
ないのかもしれません。



20.君の膵臓を食べたい    住野よる(双葉社)

主人公の高校生の、きみとぼくの関係性がとてもよく
自分が彼女のように余命幾ばくもない状態なら、
やっぱり「ぼく」のような人と一緒に遊んでいたい。
と強く思った一冊。

「君の膵臓が食べたい」というキイワードがすべてのテーマになっていて
ここを読み取れるかどうかで、受け取るものが変わってくる。

生きるということは、ともにあるということ。
このことの意味を知っている人が
どのくらいいるだろう。

いくらでもお涙頂戴式に書けそうなものなのに
彼女の死に方が、不思議に雑な感じなのは、
肉体的にこの世に生きている、というより
限りある生を、きみと響きあいながら精一杯生きた。
という部分に
焦点を当てているからなのかもしれない。

小説っていいですね!
生きてるって素晴らしい。
亡くなってしまったひとも、
そのひとが存在してくれていたことが
ほんとうにありがたいと素直に思える。

わたしが彼の素晴らしさに感動して
いつも心を震わせていたら
彼はやっぱり、生きているということになるのかもしれない。

そんなことを考えました。


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by terasumonnmoku | 2016-04-03 21:07 | 読書 | Comments(0)
11.ルーズヴェルト・ゲーム

「下町ロケット」と同じ作者の作品。
展開も下町ロケットと似た感じだけど
ぎりぎりが楽しい。そして敗れても何かは引き継がれる。
というテーマが秀逸でした。
ルーズヴェルト・ゲームとは、スコア8対7の接戦の野球の試合のことで
野球はこのスコアが一番面白いらしい。
確かに興奮するけれども、個人的にはそろそろもっと平和な世界に
生きていこうと思います・笑。

12.下町ロケット

あまりにもおもしろくて、読み出したら止まらなくなりました。
そして滂沱の涙を流しながら読み終わり
その後何度も読み返しました。
銀行の立ち居振る舞いにあまりにリアリティがあると思ったら
著者が銀行出身だったんですね。
こういう物語が書きたくなる気持ちが
身につまされるほどよく分かるなあ!
あまりにも有名ですが、誰が読んでも面白い本。

13.神さまとのおしゃべり

この本の中で一番おもしろかったのは
嫌いな人=価値観の違う人
だという部分。

わたしは(そして友人の徳ちゃんも)自分と価値観の違う人が基本的に好きで
違えばちがうほど、その違いを知りたくなる。
だから「嫌いな人」というのが、そもそも周りにいたことがないんだけど
世の中的には、それはとても珍しいことらしい。

ただ、自分に関しては、自分と違う価値観を人が持っていることは受け入れるけど
それと、その<価値観そのもの>を自分が受け入れるかどうかはまったく異なった問題です。
すてきだなあ!と思えば受け入れ、視野が広がってとても勉強になるし
価値観そのものに魅力を感じなければ、興味を失う。

もしかしたら、いきなり「嫌う」という感情を持つ人は
人の異なった価値観を感じるたびに
それを「押し付けられている」ように無意識に感じてしまうのかも
ということを考えました。

14.聞き方の極意

営業の HOW TO本。著者のビリーさんは、この方法で劇的な効果を出し
その後もカリスマ・コンサルタントとして
講演活動に飛び回っています。
コンサルタントとしての業績もすばらしく
彼の指導を受けた人は着々と成果を出しているらしい。
放って置かれるとひとは結構孤独なものなので
確かに営業の人がここまで自分に関心を持ってもらえたら
そりゃなんだって、買いたくなってしまうに違いない。
という内容です。

そこはすばらしいのですが、ただ読んでいて著者は、自分のことが、あんまり好きじゃないのかな。
という印象を持ちました。
「すべてが一つ」ということが腑に落ちていなくて
対象(顧客)が自分自身と分離してると、
世俗的成功がイコール自分への本当の評価につながる。
ということになりにくい。

お金を稼ぐだけでなく、もっと大きなもの。
自分を含めた世界の平和みたいなものに思いを馳せられるようになると、
人生が劇的に幸せになるのに、もったいないなあ!と思いました。
余計なお世話です〜(*ΦωΦ*)

営業でなるべく短期間に成果を上げたい人には、絶賛おすすめ(๑'ᴗ'๑)

15.幸せの心得

ビジョン心理学とは、心理学にスピリチュアルを統合した考え方です。
スピリチュアルなので学問的にはかなり怪しいです。
でも効果はあると思います。
この学問を開いたチャック・スペザーノ博士の「傷つくならそれは愛ではない」という本を
ものすごく昔読んだことがありますが
これはかなりおもしろかった。
たまたま出会った人に、この冊子をもらったので、読んでみました。
チャック・スペザーノ博士が、こんなふうに日本で頑張っていたとは
びっくり。
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by terasumonnmoku | 2016-02-28 22:04 | 読書 | Comments(0)
一月中旬から下旬にかけて読んだ本。
重症の中二病が再発していたので、痛ロマンチックな辻村深月さんの小説には、
ずいぶんお世話になりました( *˘ᵌ˘)♪



6.DADA フランス発こどもアートシリーズ。朝日学生新聞社というところから出ている
子供向けの本ですが、これ、色がきれい。
絵が好きなのですが、画集ってとにかく色が残念なことが多い。
このシリーズははおすすめです。

7.「レヴィナスと愛の現象学」
レヴィナスー1905年生まれのフランスの哲学者。ホロコーストサヴァイヴァー。
フッサール・ハイデッガーに師事し、独自の現象学、倫理学を展開した。

本書は、レヴィナスが好きだけど、全然わからない人向けに書かれた、まさにわたしのようなひとにうってつけの本です。
哲学の素養がないので、レヴィナスに限らず、フッサールもドゥールズも、メルロ・ポンティも分からないのですが
わからないけど、なぜか<ものすごく好き>なのはレヴィナスくらい・笑。

レヴィナスのエロス論を読んで
ボーヴォアール(サルトルのパートナーで「第二の性」を書いた思想家)
をはじめとしたフェミニストたちが猛反発した。
という部分が、なんともほろ苦かった(´;ω;`)

内田さんが言うように、レヴィナスがエロス論の中で語っているのは
<自我の超越>という一般的で、大変重要な主題だったと思うのです。

<今ここにある通俗的な出来事を素材にして人間性についての根源的考察を試み>る。
その手法として、<エロス>を用い、ひとは、自らの自我を
いかにして超越していくのか、というテーマを扱った。

具体的には、ユングの「アニマ(男性の中の女性性)とアニムス(女性の中の男性性)」
という考え方を
その人の内面における本来の性的要素との絡みの中で、
さらに動的に展開したと思うのですが
(人の内面の中で男性性と女性性が相互作用を起こして新たな子をなし、それが魂の進化につながるというのは
古いキリスト教の三位一体論にも似て、読んでいてぞくぞく(๑'ᴗ'๑))
それを、ただの<女性差別>的言説と表層的に切り取り、
批判しているところに(ボーヴォアールが好きだっただけに)げっそりでした。

著者内田さんによると、レヴィナスの「全体性と無限」を読んで、一夫一婦制はよいものだ。
というひともいるらしいので
めずらしいことではないらしい(´;ω;`)

レヴィナスはこの「愛」の物語で
国家の成立まで語ってしまう。
そのスケール感というかパースペクティブの大きさが、最大の魅力なだけに
皮相な部分での批判が残念でなりません。

*「国家は、慈愛と慈悲の過剰から生まれた」
(暴力と聖性 レヴィナス&ポワリエ)
愛の過剰が正義を呼び寄せ、正義の過剰が愛を呼び寄せる。
人間の世界は愛の秩序と、正義の秩序の終わりなき循環のうちに展開する。
(レヴィナス 愛の現象学 内田樹)

あの呪文のような「全体性と無限」。
また読んでみたくなりました♪゜・*:.。. .。.:*・♪

8.未来が見えなくなったとき僕たちは何を語ればいいのだろう。
著者ボブにあったとき、また最初の方しか読んでいなくて
英語力がないこともあって、さわかふぇの魅力を伝えるのに四苦八苦しました。
ちゃんと最後まで読んでいたら、
「一本の枝はすぐ折れるけど、さわかふぇは、みんなが美しい庭を作れる場所だ」と説明するだけで良かった、と歯噛みしました。
英語、勉強しようと反省中。(ほんとか!)

9.10.
三冊の辻村深月さんの本は、重症の中二病患者に最適です。
なぜかこの年齢になってもたまに中二病がぶり返すので、そういうときにぴったり・笑。
ハードなのに心洗われるので、同病の方におすすめ(๑'ᴗ'๑)


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by terasumonnmoku | 2016-02-06 12:25 | 読書 | Comments(0)
ラグビーの五郎丸選手推薦(๑'ᴗ'๑)

わたしの学んでいる「真理」でいうと
エゴで作られた思い込み=<枠>というワードで語らられる「小さな箱」。

それがどのように作られ、
人間関係をややこしくし、ひいては会社の生産性を下げているのか。
を、たいへんわかりやすく解説した本です。

いかにしてひとは「被害者」になるのか。
どのようなしくみで、わたしたちは人を責めるようになるのか。
について、うんざりするほどよくわかるように書いてあります。

特に図解説明がいい。
生まれて間もない赤ちゃんの夜泣きに気づき
妻が起きないうちにあやさなくちゃ。
と思った時の、夫の反応として語られるそれ。

まず「妻が起きないうちに、子供をあやさなきゃ」という反応が起き、
それをせず、夫が自分の感情を裏切った場合、
夫の中で自己正当化が起こります。
対自分↓
・あすの仕事が大変
・その仕事は大変重要   ・・被害者
・自分は良い父

また妻に対しては
・なまけもの
・自分を評価していない    ・・加害者化
・ひどい母親

結論)人は自分の感情に背いたとき、箱にはいる。

これは単純な例ですが、この「箱」は持ち運び可能で
ある人には箱の外に出て対応できるのに
ほかのひとには箱の中にいたまま、相手を責めはじめるようなことがおこる。

箱の中からひとを見ているとき
ひとは、人間ではなく「もの」化している。
という解説に納得。

自分が箱に入っているときは、自分を正当化しなくてはいけないので
とにかく相手が、「ひどい人間」であることが必要。
だから実際以上に、問題がどんどん大きくなる。

箱から出るのは簡単で、
それは相手を尊重すべきひとりの人間としてみる。
というもの。

相手を無理やり箱から出すことはできないけれども
自分も箱に入ってしまっている状態では
コミュニケーションをとることが、できない。

人間関係で問題が起こる場合は、
たいがい自分と相手の双方が
箱に入っています。
(宇宙の法則的に言うと、自分側だけでも解決すると
問題そのものがなくなるか、気にならなくなります)

とにもかくにも、まず、自分が、問題を持っていることを知ること。
まず自分自身が、箱の外に出ることが
鉄則ですね(๑'ᴗ'๑)

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by terasumonnmoku | 2016-01-26 20:29 | 読書 | Comments(0)

宇宙真理哲学講師、らくがきすと、即興ピアニストぷらす社会活動家(過労自死遺族当事者)働くことから世界を変えるをモットーに、さまざまな活動をしています。合言葉はREBORN.大事なのは、生きることだ!


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