映画2.ドリス・ヴァン・ノッテン

1958.ベルギー生まれの世界的デザイナー 、
ドリス・ヴァン・ノッテンのドキュメンタリー・フイルム。

どこの大企業にも属さない、
インディペンデントなブランド。

広告に頼らず、ライセンスものも作らず、
ただ才能と作品だけで勝負し続け、

セレブや各国要人、マドンナや
ケイト・ブランシェットのような
ファッションアイコンに愛される
稀代のデザイナーに密着。
2015年から2016年の1年の活動を追った
フイルムである。



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冒頭、2014年の春夏ウィメンズコレクションの、
ランウェイに敷かれたカーペットに、
やられた。

黒を基調とした無機的なホールに、
もりもり感のある苔や草原を
イメージしたカーペット。
美しい色彩をまとったモデルたちは、
花のようでもあり、
マネの「草上の昼食」のようでもある。

晩餐会のテーブルがランウェイだった年もある。
おもしろすぎて目が離せない。

なにより衝撃的だったのが、
画家フランシス・ベーコンに影響を受けた年の
コレクション。

刺激的なのはわかるけど、
やっちゃうんだ。

酷評され、商業的にも失敗だったらしい。
誰が考えたってそうなるだろう。


でも、ためらわずそこに
踏み込んで行ってしまうところが
たまらなく、かっこいい。

アートって、そういうものだ。

きれいなだけでは
人の心を動かさない。
価値観を変えていくところに
存在理由がある。


それに、注意力を使い果たして
波動が劇落ちしてるときに
ひとが、この「ルシアン・フロイドの3つの習作」みたいに見えるときがあった気がする・笑
これに一億出すなんて、信じられない。
視覚情報、代わってあげたいわ。





このフランシス・ベーコンの作品群は
見ようによっては
禅の十牛図のように捉えられなくもない。

で、うがった見方をすると、
その時のコレクションで
ドリス・ヴァン・ノッテンがこだわったのは
「時間」だったかもしれないと思う。

持ち主と一緒に成長する服。
消費されるファッションではなく
カラダとともに、その人が生きる時間を包み、喜び悲しみ、感情をも刻印し、編み込んでいく衣装。


服が物語の中からできてくるという
おとぎ話のような世界観が
強迫神経症的な時間割からできあがる
っていうのが、リアルで切ない。


花との暮らしも
恋人のパトリックとの信頼関係も
うっとりするほど堅実で、あたたかく
背景はどこを切り取っても、
たまらなく美しい映画だった。

2.ドリス・ヴァン・ノッテン
ファブリックと花を愛する男
ライナー・ホルツェマー監督
2016年ドイツ/ベルギー/93min
チネラビータ



by terasumonnmoku | 2018-03-14 22:16 | 映画 | Comments(0)

真理セラピスト・らくがきすと・即興ピアニスト+社会活動家(過労自死遺族/東北希望の会代表)幼少時より、生と様々な死から多くのことを学んできました。11年のセラピスト経験があり、仕事ではいのちのすばらしさについての、エナジーーワーク的なセッションやワークをしています。頭を現実的に使いながらメルヘンな世界を実現させていきたい。社会問題、スピリチュアルな仕事や宇宙のこと、日常について書いています。


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