2019年 03月 14日
読書27.[森のバロック]中沢新一 講談社学術文庫
著者の表現の仕方が好きだ。
知の巨人民族学&エコロジーの始祖
南方熊楠に関する本書で、今回しびれたのは、 「幽霊はリーマン幾何学の側にある」
リーマン幾何学がなんなのか、
わたしはちっともわからない。
だからこそ、幽霊にこの言葉が使われると
なんというか、次元を軽く超える感じがして、
何もわからないのに
わかったような気がする。
というのは枝葉末節で、
本書は南方熊楠、正確にいうと
彼の到達した曼荼羅思想が、
現代の科学文明と、
石器時代の神話が伝える生きた生命論の世界をつなぐ、
ミッシングピースになるのではないか
という仮説をざっくりと論証した本である。
南方マンダラが、
真言密教の世界を超えて、
科学に侵入していくさまが、
ドキドキするようなスリリングな筆致で、
描かれている。
南方マンダラによって、
生命は宇宙そのもののダイナミックな動きに
直接リンクされる。
見えないものから見えるものが生み出され
また見えないものに還っていく、
因果盛衰、もとい創造と破壊の循環。 >どんな感情の中にも、どんな思考の中にも、
大日如来は活動している。
生命は自己言及的であり、
自己を認識することで、
存在は「外部」を獲得する。
命とは何か。存在とは何か。
様々なことを考える手立てをくれる一冊。
めんどかさくて、
よくわからないことが好きな人にぜひ^_^
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